チュートリアル:Power Palette 設定編¶
このチュートリアルでは、損失解析や詳細波形解析を行うための詳細解析スイッチ素子のモデリング方法について説明します。
Info
このチュートリアルはサイディームのオプション機能:Power Paletteのチュートリアルとなります。
Power Paletteを持っていない場合はご使用なれない機能に関するチュートリアルですので、ご了承ください。
詳細解析用の素子一覧
パラメーター設定¶
ここではNchのSi-FETまたはSiC-FETを使用する例を説明します。
パレットからDetail Nch Si/SiC-FETを探して、回路エディタ上に配置します。
パラメータの設定方法は下記の2種類があります。
ライブラリや作成済みの素子パラメータファイルをインポートする¶

すでに作成済みのパラメータファイルやScideamに内蔵されているデバイスライブラリの素子を使用する場合には
素子の右クリックメニューよりパラメータのインポートを選択し、
ファイルまたは、デバイスを選択することでパラメータを読み込ませることができます。
デバイスライブラリはルールに従ってデータシートより弊社で取り込んだパラメータファイルを使用しております。
テーブルデータなど、入っていないものもありますので、パラメータ設定の参考としてご使用し、詳細な解析を行う際には、データシートからご入力ください。

データシートから読み取る¶
Scideamではデータシートより各パラメータを読み取り、設定していきます。
以降に記載しておりますパラメータの読み取り方法を参照し、データシートからパラメータを設定してください。
以降では下記のサンプルのデータシートを参照しながら、インスペクター画面に値を入力します。
SiC-MOSFETのデータシート
データシートにパラメータが記載されていない場合
素子によってはデータシートに設定パラメータに該当する値が記載されていない場合があります。
このような場合には素子メーカーにお問合せ頂くか、実測値または適当な値を設定してください。
1. ON/OFF特性¶
ON/OFF Characteristicsカテゴリーのパラメーターを設定します。
ON Resistance:ドレイン・ソース間オン抵抗RDS(on)のTyp値を設定します。OFF Resistance:データシートに記載がないのでデフォルト値を使用します。Threshold Voltage:ゲート閾値電圧VGS(th)のTyp値を設定します。
2. ボディダイオード特性¶
インスペクターのDiode Characteristicsカテゴリーを設定します。
ON Resistance: データシートのV_SDI_SDの特性グラフから測定条件の電流(今回はIf=20A)とその1/2の2点間の傾きをRonとして設定します。OFF Resistance:データシートに記載がないのでデフォルト値を使用します。Forward Voltage:VSDISDの特性グラフから読み取ります。
特性グラフのスケールによって読み取り方法が変わります。
後述する読み取り方の違いを参照してください。MaximumCharge:最大蓄積電荷(Qrr)のTyp値の半分の値を設定します。
On ResistanceとForward Voltageの読み取り方法について
On ResistanceとForward Voltageはグラフから読み取りますが、データシートに記載されているグラフの種類によって読み取り方が異なりますので注意してください。
| パラメータ | 対数スケール | リニアスケール |
|---|---|---|
| ON Resistance | 測定条件の電流(A)とその1/2の点(B)の2点間の傾きを設定します。 | 測定条件の電流(D)とその1/2の点(E)の2点間の傾きを設定します。 |
| Forward Voltage | グラフ上のIsdが最も小さくなる点の電圧値を設定します。(C) | ON Resitanceを求める際に引いた2点の接線を延長し、Isd=0Aとなる点の電圧を設定します。(F) |
3. 寄生容量¶
Capacitance Characteristicsカテゴリーのパラメーターを設定します。
Input Capacitance:入力容量CissのTyp値を設定します。Output Cpacitance:出力容量CossのTyp値を設定します。ESR of Drain-Source Capacitor:デフォルト値を使用します。Output Cpacitance table: 出力容量Cossは特性テーブルを持たせることができます。
こちらもボディダイオードのON Resistance同様CC Tracer を使うことで簡単に特性を設定できます。
特性テーブルの設定方法
CC Tracerの使用方法¶
CC Tracerはグラフ読み取りツールです。
グラフ画像をペーストまたは読み込むことで数値情報を取り出すことができます。
CC Tracerはアプリ情報と設定または、詳細スイッチのCossテーブルエディタから起動することができます。
CC Tracerの使い方
- 対象のグラフを画像として読み込む(クリップボードから貼り付けることもできます。)
- グラフ範囲を覆うようにチャート範囲選択枠(図中のA枠)を調整する
- 🔓をクリックして枠を固定する
- X軸、Y軸の範囲や基数等を設定する
- 赤枠の+ボタンを押して読み取り用の系列線を追加
- 系列線をドラッグして読み取りたい箇所にあわせる
青枠部に系列線から読み取った値が表示されます。こちらをコピーしてパラメーターやテーブルに反映してください
Cossテーブルエディタから起動した場合はOKを押すとテーブルに反映されます。
緑色部には系列線の傾きが表示されますのでボディダイオードのON Resistance等設定する際にご活用ください
4. スイッチング特性¶
Switching Characteristicsカテゴリーのパラメーターを設定します。
Rise Time:ターンオン時間TrのTyp値を設定します。Fall Time:ターンオフ時間TfのTyp値を設定します。Drain-Source Voltage at Rise/Fall Time:
Tr,Tf測定条件に記載されているドレイン電圧VDDの値を設定します。Drain-Current Voltage at Rise/Fall Time:
Tr,Tf測定条件に記載されているドレイン電流IDの値を設定します。Saturation Gate Voltage:
このパラメーターはデータシート値ではなく実際のゲート駆動回路のゲート駆動パルス電圧を設定します。
ここでは、ひとまず、次の解析編で使用するゲート駆動パルス電圧(12V)を設定しておきましょう。
5. ゲート抵抗¶
Switching Characteristicsカテゴリーのゲート抵抗に関するパラメーターを設定します。
データシートのTr,Tf測定条件を見るとRGの抵抗値が図の様にRG(on)とRG(off)で分けられています。
この場合はGate Resistance at ON StateとGate Resistance at OFF Stateにそれぞれの値を設定します。
-
Gate Resistance:ゲート内部抵抗RGのTyp値を設定します。 -
Gate Resisntace at ON State:
Tr,Tf測定条件に記載されているゲート抵抗RG(on)を設定します。 -
Gate Resisntace at OFF State:
Tr,Tf測定条件にターンオン時とターンオフ時のゲート抵抗が並列に分岐した回路が記載されている場合は、RG(on)とRG(off)の並列抵抗値を設定します。
Note
ダイオードと抵抗を並列に接続することで、ターンオン時とターンオフ時に異なるルートを取ることがわかります。
このような回路はターンオフ時にFETに蓄積された電荷を急速に放電することで、スイッチング時間を短縮することができるため、GaNやSiCなどの高速スイッチングデバイスの性能を活かすためにしばしば用いられます。
6 パラメーターファイルの保存¶
詳細解析用素子はスペックに入力したパラメーターをデータファイルとしてエクスポートしておくことができます。
素子の上で右クリックし、コンテキストメニューからパラメーターのエクスポート…を選択し、任意の名前で保存します。








