演算機能:フィルタ
フィルタ機能
フィルタ
は系列データに指定した条件でフィルタ処理を行う機能です。
フィルタ
は 移動平均
、 伝達関数
、 FIR
、 IIR
の4種類が利用できます。
フィルタウィンドウ
メニューから Filter
をクリックしてフィルタウィンドウ
を開きます。
設定手順
1 リサンプリングの設定
フィルタの種類にかかわらず、指定された系列データに対してリサンプリングを行った後、フィルタ処理を行います。
名称 | 機能 |
---|---|
系列 | フィルタ処理を行う系列を選択します。 |
サンプリングの統計量 | 選択した系列の統計データを表示します。 |
リサンプリング周期 | リサンプリング処理で使用するサンプリング周期を設定します。 デフォルトは、選択した系列データのサンプリングの平均値が表示されます。 |
補間方式 | データ点の補間方法を選択できます。 |
挿入位置 | フィルターを適用した系列の生成位置を選択します。 |
-
Series
のリストから、フィルタ処理を行う系列を選択します。 -
表示された統計量等を参考に
Resampling Time
にリサンプリング周期を入力します。 -
Interpolation Method
の補間方式を選択します。 -
Insert Position
で新しい系列の生成位置を選択します。
2 フィルタ種類別の設定
タブからフィルタの種類を選択し、各項目を設定します。
最後に、OK
ボタンをクリックすると、新しいチャートに結果が追加されます。
2.1 移動平均
移動平均
は指定した項数の移動平均を適用します。
移動平均は現在の値から指定された項数分の過去値を使用して算出します。
指定された項数よりもデータ数が少ない場合は、過去値が取得できない区間を0
として演算されます。
名称 | 機能 |
---|---|
項数 | 項数を指定します。項数は2以上の正の整数で指定してください。 |
-
Moving Average
タブを選択します。 -
Term
に項数を入力します。
Example
今回値、前回値、前々回値を使った移動平均を行うためには項数に3
を設定します。
2.2 伝達関数
伝達関数
は指定した1次、または2次の伝達関数を双一次変換しフィルタとして適用します。
名称 | 機能 |
---|---|
フィルタ次数 | フィルタの次数を選択します。1:First は1次、2:Second は2次となります。 |
式 | フィルタ次数 で選択された伝達関数の式を表示します。1次の場合はa,b,cに、2次の場合はA,B,C,D,Eに数値を入力して適用する伝達関数を作成します。 |
-
Transfer Function
タブを選択します。 -
Filter Order
のリストからフィルタ次数を選択します。 -
Formula
の各係数を入力して、伝達関数の式を作成します。式と係数の関係
1次
2次
2.3 FIR
FIR
はフィルタ長、フィルタタイプ、窓関数、カットオフ周波数から窓関数法により設計された直線位相特性を持つFIRフィルタを適用します。
名称 | 機能 |
---|---|
フィルタ長 | フィルタ長を指定します。 フィルタ長には 3 以上の奇数を入力してください。 |
フィルタタイプ | フィルタのタイプを設定します。LPF 、 HPF 、 BPF から選択できます。 |
窓関数 | フィルタの設計に使用する窓関数の選択を行います。Rectangular:方形窓 、Hanning:ハン窓 、 Hamming:ハミング窓 、Blackman:ブラックマン窓 の4種類から選択できます。 |
遮断周波数 | フィルタタイプ が LPF または HPF の時の遮断周波数を指定します。遮断周波数はサンプリング周波数の 1/2 未満の値を指定してください。 |
低域遮断周波数 | フィルタタイプ が BPF の時の低域遮断周波数を指定します。低域遮断周波数はサンプリング周波数の 1/2 未満の値、且つ高域遮断周波数未満の値を指定してください。 |
高域遮断周波数 | フィルタタイプ が BPF の時の高域遮断周波数を指定します。高域遮断周波数はサンプリング周波数の1/2未満の値、且つ低域遮断周波数より大きい値を指定してください。 |
-
Filter Length
にフィルタ長を入力します。 -
Filter Type
のリストからフィルタタイプを選択します。 -
Window
のリストから窓関数を選択します。 -
Cutoff Frequency
nに遮断周波数を入力します。LPFまたはHPFの場合はCutoff Frequencyに遮断周波数を入力します。
BPFの場合は、Lower Cutoff Frequency、Upper Cutoff Frequencyに低域遮断周波数、高域遮断周波数を入力します。
2.4 IIR
IIR
はフィルタタイプ、フィルタ特性、通過帯域エッジ周波数、阻止帯域エッジ周波数、通過帯域リップル、阻止帯域の減衰量から伝達関数を設計し、
双一次変換を行ったものを適用します。
名称 | 機能 |
---|---|
フィルタタイプ | フィルタのタイプを設定します。LPF 、 HPF から選択できます。 |
通過帯域エッジ周波数 | 通過帯域エッジ周波数を指定します。 通過帯域エッジ周波数に指定できる周波数は下図の Fp を参照してください。 |
阻止帯域エッジ周波数 | 阻止帯域エッジ周波数を指定します。 阻止帯域エッジ周波数に指定できる周波数は下図の Fs を参照してください。 |
通過帯域リップル | 通過帯域で許容できるリップルの大きさを設定します。 通過帯域リップルの範囲については下図の Ap を参照してください。 |
阻止帯域の減衰量 | 阻止帯域でどこまで減衰させるかを設定します。 阻止帯域の減衰量の範囲については下図の As を参照してください。 |
Ap
:パスバンド端減衰量、As
:ストップバンド端減衰量 Tsum
:サンプリング周波数
-
Filter Type
のリストからフィルタタイプを選択します。 -
Passband Edge Frequency
、Stopband Edge Frequency
に通過帯域エッジ周波数、阻止帯域エッジ周波数を入力します。LPFの場合は、通過帯域エッジ周波数 < 阻止帯域エッジ周波数となるように設定します。
HPFの場合は、通過帯域エッジ周波数 > 阻止帯域エッジ周波数となるように設定します。
-
Passband Ripple
、Stopband Attenuation
に通過帯域リップル、阻止帯域の減衰量を入力します。通過帯域リップル < 素子帯域の減衰量となるように設定してください。