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定常解析機能 [Steady]

説明

サイディームには、定常状態を瞬時に求めるアルゴリズムが実装されており、各解析方法のSteady機能をオンにすることにより利用することができます。
定常状態とは、過渡応答が終了したあとの状態を指しており、一例として回路の電源スイッチをオンした場合、 直後には出力電圧などの波形が変動する過渡応答と呼ばれる状態が現れますが、しばらくすると安定した波形に落ち着きます。
Steady機能は、この波形が落ち着いた状態を高速解析します。
通常、定常解析を行うには過渡応答波形が落ち着くまでの時間だけ解析を続けなければならず、解析時間が非常に長くなります。
本機能は、この不要な過渡応答波形をスキップして直接定常波形を解析することができるので、非常に短い時間で解析を行うことができます。


解析方法

Waveform解析でSteady機能を利用する時を例に挙げて説明します。

  1. ツールバーのタブを開きます。
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  2. シミュレーションモードをWaveformに変更します。
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  3. SteadyをONにします。
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以上でSteady機能を使用する際の設定は完了です。
その後は通常のWaveform解析と同様に、実効ボタンを押すことで解析を開始します。

Waveform解析以外でSteady機能を使用する場合

Steady機能はFRA解析Sweep解析Power解析でも使用することが可能です。
これらの解析でSteady機能を使用する場合も同様の手順にて設定を行います。

Steady有効時一部の解析条件は設定不可

Steady機能は自動で定常状態を判定した後、後続の解析を行います。
Waveform解析の場合、過渡応答解析を行わないためWaveform Start TimeとTrim Transient Chartは設定できません。


Steady機能の制限

Steady機能の利用可能かどうかは回路に依存します。 本項ではSteady機能が利用できない条件、および意図した解析結果が得られない可能性がある条件について解説します。

Steady機能が利用できない素子

以下の素子が含まれる回路では、Steady機能を使用した解析を行うことはできません。

カテゴリ 使用できない素子
Gate Driver Gate Driver 3Phase PWM
Gate Driver 3Phase Signal
Modulator PWMとSFMを合わせて2個以上の利用は不可
Motor 全ての素子
Source(Continuous) Ramp
Saw Tooth
Step
Source(discrete) 3Phase Voltage
AC Current Source
AC Voltage Source
Function
Solar Battery

解析が正常に完了しない条件

Steady機能が利用可能な素子のみで構成された回路であっても、必ずSteady解析が成功するとは限りません。 定常状態にならず、解析が終了しない場合や解析が完了した場合でも結果が誤っている場合があります。
例えば以下の条件を含む回路では、誤って定常状態と判断してしまい、解析結果が期待通りでない場合があります。

条件 原因
Operator(Continuous)カテゴリの素子を使用してフィードバック制御をしている フィードバックする値によっては、値が収束しない場合がある
Operator(Discrete)カテゴリの素子を使用して制御している 通常の時系列解析とは異なるため、結果が意図しない可能性がある
スクリプトを適用している 通常の時系列解析とは異なるため、結果が意図しない可能性がある
スクリプト実行はされる
非線形動作をしている 値の変化量が小さいポイントを定常状態と誤認してしまう可能性がある
Limiterなどの制限をしている 制限値に当たってしまい、定常状態と誤判定してしまう可能性がある

Steady機能を使用した解析結果がうまく得られない場合はSteady機能をオフにして解析を行ってください。