DABコンバータの損失解析¶
概要¶
Power解析を用いて、DAB(Dual Active Bridge)コンバータを構成するスイッチング素子や磁性部品の損失を確認します。
本サンプルでは、1次側と2次側のフルブリッジ回路の位相差を20°と5°に設定し、それぞれの損失内訳を比較します。
用途¶
- 位相差を変えたときの動作と損失の比較
- スイッチング素子の損失と磁性部品のコア損失の評価
- 損失の大きい部品を把握し、素子選定や放熱設計を検討
サンプル回路¶
両側のフルブリッジ、漏れインダクタLr、励磁インダクタLm、変圧器T1で構成します。両側に詳細FETを使用し、Lmにコア損失を設定しています。
回路ファイル
回路ファイルはサンプル回路TOPページからダウンロードできます。
サンプル回路はこちら:
Scideam/circuit_library/dab_converter/dab_Loss_Analysis.scicir
Scideam/circuit_library/dab_converter/dab_Loss_SwitchControl.sciprc
Info
必要オプション:Power Palette、Digital Palette
回路パラメータ¶
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 1次側直流電圧 VDC1 | 400 V |
| 2次側直流電圧 VDC2 | 300 V |
| スイッチング周波数 | 100 kHz |
| 漏れインダクタ Lr | 100 uH |
| 励磁インダクタ Lm | 900 uH |
| 変圧器 T1 巻数 N1:N2 | 12:12 |
| FETモデル | IMZA65R057M1H |
動作スクリプト¶
dab_Loss_SwitchControl.sciprcで位相差を指定し、2次側パルスP2_1、P2_2に反映します。
//DABコンバータ 位相制御
//スクリプトから位相差をセットする
SwPhase = 5; //degree
setoutvar(SwPhase);
//±90[deg]を超えないように入力に対するガード
if(SwPhase < -90) SwPhase = -90;
if(SwPhase > 90) SwPhase = 90;
//360[deg]=1として正規化
SwPhase = SwPhase / 360;
//2次側SWドライブパルスに位相差をセット
setparam("P2_1","T0",0.25 + SwPhase);
setparam("P2_1","T1",0.75 + SwPhase);
setparam("P2_2","T0",0.25 + SwPhase);
setparam("P2_2","T1",0.75 + SwPhase);
SwPhase = 20;またはSwPhase = 5;として解析します。
損失解析を行うには?¶
Detail SwitchをDetailにしてTransient(Full)解析を行うと、スイッチング波形を詳細に確認できます。
続けてPowerを選択し、解析設定のDetail SwitchをDetailにします。回路が定常状態となる時間をStart Timeに設定して実行すると、素子ごとの損失内訳を確認できます。
損失内訳
結果のツリーを開くと、部品ごとの損失成分を確認できます。主な項目は次のとおりです。
| 損失項目 | 内容 |
|---|---|
Lm_Core |
コア損(鉄損) |
Lr_ESR |
一次側銅損 |
T1_N2_I |
二次側銅損 |
Sw_Id_TurnOn |
ターンオン損 |
Sw_Id_TurnOff |
ターンオフ損 |
Sw_Id_On |
導通損 |
位相差20°
位相差5°
PWRには、Isecの電流とVDC2の電圧の積から求めた2次側の電力を表示しています。設定方法は電圧源・電流源を負荷とした損失解析(Loss Setting)を参照してください。
関連サンプル¶
| 回路 | 内容 |
|---|---|
| DABコンバータの位相シフト制御 | PID素子で求めた位相差をスクリプトに反映し、2次側電流を目標値に追従させる構成 |
| DABコンバータの損失の確認 | 位相差を20°と5°に固定し、電流波形と素子・コアの損失内訳を比較する構成 |
関連記事¶
| 記事 | 内容 |
|---|---|
| DABコンバータのシミュレーション | 1次側・2次側フルブリッジ間の位相差(位相シフトデューティ)により双方向に電力伝送するDABコンバータの動作原理と、PID制御による位相差自動調整、ZVSによる低サージ化を解説 |




