出力変数[Output]

出力変数とは

出力変数とは解析の出力を指定する変数であり、素子の電圧、電流が設定できます。指定された変数をシミュレーション結果としてグラフ表示などを行うことができます。
ただし、次の変数はSCALEで出力変数として設定できません。

  • 電圧源の電流
  • 損失のない変圧器巻線の電流

これらの電流を観測するには、これらの素子に直列に寄生損失などの素子を付加しその電流を観測するか、または、IVセンサーを使用して観測します。
また、電圧に関しては、基本的に素子の電圧しか観測できず、複数の素子間の電圧は直接観測できません。
このような場合、オープン素子を使用します。まず、回路図作成のときに、観測したい端子間にオープン素子を付加し、このオープン素子の電圧を出力変数に設定します。


出力変数のモード

出力変数で指定するModeは、主にTransient解析において使用され、以下の様にメイン周波数で設定した周期の代表点をサンプリングします。

図中番号 Mode 内容
[1] Ave 平均値
[2] Max 最大値
[3] Min 最小値
[4] Ini 初期値
[5] Fin 最終値
[6] Pkv ピーク値
絶対値が最も大きいポイントの値

シンボルと内部シンボル

いくつかの素子には出力変数表示用の内部シンボルが存在し、全体として素子シンボル内部シンボルのように素子シンボルと内部シンボルの間にピリオドをいれて表します。たとえば、過飽和インダクタでは、インダクタを表す1個の内部シンボルLが存在します。したがって、可飽和インダクタのシンボルとしてSLが設定されている場合、全体のシンボルは SL.L のように表示されます。この表示法は出力変数の設定に使用されます。


出力変数の設定方法

シミュレーションで波形を確認したい箇所を出力変数として設定します。設定はParameter:Outputから行うことができます。 回路上にオープン素子OUT1があるとして、この素子の端子間電圧を出力モードAVEで測定することを例に挙げ解説します。

  1. ElementsからOUT1を選択します。
  2. ModeAVEに設定します。
  3. TypeVに設定します。
  4. Setボタンを押下します。
  5. Outputsに出力変数が登録されます。
  6. すべての出力変数の登録が完了したらOKボタンを押下します。

Note

ver1.5.8でコア損失解析対象素子のみ、磁束密度を出力変数に指定できるようになりました。
磁束密度を指定する場合はTypeBmに設定します。


演算出力変数の設定方法

波形同士の四則演算を行うことができます。
加算'+'ボタンを利用することにより、波形に対する加算ができます。
手順は以下の通りです。

  1. Outputsより、被加算波形を選択します。
  2. +ボタンを押下します。このとき、+ボタンの表示がC(Cancel)に変わります。
  3. 加算波形をOutputsより選択します。

加算できる波形は、被加算波形と同じタイプ(電圧V、電流I)を持つ波形のみです。
加算した結果が演算出力変数として、Outputsリストボックスに付け加わります。この演算出力変数の名前は、"%1+2"のように、最初に"%"が付き、その後に加算波形のリスト上の番号と加算記号が組み合わされて付けられます。'+'ボタンをクリックした段階(表示C)でもう一度このボタンをクリックすると演算はキャンセルされます。

出力変数に関するエラー対処方法

出力変数に関するエラーとその対処方法は以下を参照してください。

出力変数に関するエラー対処方法

参考

メイン周波数
センサー