SCALE_CONNECTブロックパラメーター

SCALE_CONNECTブロックで設定可能なパラメーターは下図となります。
Block_parameter1

①SCALE CVTファイルディレクトリ

[SCALE CVTファイルディレクトリ]はシミュレーション時にSCALE_CONNECTブロックから呼び出すCVTファイルを指定するパラメーターです。
呼び出すことができるのは、CVTファイルとCVT2ファイルです。

Block_parameter2

CVTファイルとCVT2ファイルは、拡張子まで含めた文字列(絶対パス)で指定してください。
文字列の有効性と制約事項については、Windowsのパスの仕様に依存します。
デフォルト値は空の文字列です。


② SCALE 起動オプション

[SCALE 起動オプション]はシミュレーション開始・停止時の、SCALEの自動起動・終了の挙動について定義するパラメーターです。

Block_parameter3

オプションの内容は下記となっています。

内容 解説
起動しない シミュレーション開始時にSCALEを自動的に起動しません。
そのため、本項目を選択した場合、シミュレーションを正常に実施するためには、ユーザーが事前に手動でSCALEを起動しておく必要があります
自動起動(デフォルト) シミュレーション開始時にSCALEを自動的に起動します。
起動するSCALEの実行ファイルは、SCALEインストール時にWindowsに保存された環境変数の値から決定されます。
シミュレーション終了時にはSCALEは自動的に終了されません。
本項目は「SCALE_CONNECT」ブロック配置時のデフォルトです。
自動起動&終了 シミュレーション開始時にSCALEを自動的に起動します。
起動するSCALEの実行ファイルは、SCALEインストール時にWindowsに保存された環境変数の値から決定されます。
シミュレーション終了時にSCALEは自動的に終了されます。

Note

シミュレーション開始時すでにSCALEが起動されていた場合、[SCALE 起動オプション]の設定内容にかかわらず、手動でSCALEが起動されたと見なします。
そのため、[SCALE CVTファイルディレクトリ]で指定したCVTファイルを読みませるためには[シミュレーション開始時にCVTファイルを自動更新]を有効にしておく必要があります。
SCALEが手動で事前に起動されており、かつ[シミュレーション開始時にCVTファイルを自動更新]が無効の場合、SCALEには[SCALE CVTファイルディレクトリ]パラメーターと同一のCVTファイルを読み込ませておく必要があります。


③ シミュレーション開始時にCVTファイルを自動更新

[シミュレーション開始時にCVTファイルを自動更新]はシミュレーション開始時に、SCALEにCVTファイルを新たに読み込ませる指示の有効無効を指定するパラメーターです。 Block_parameter4

このパラメーターは、シミュレーション開始時にSCALEが手動で起動済みであるが、CVTファイルをまだ読み込んでいない場合に効果的なパラメーターです。

オプションの内容は下記となっています。

内容 解説
有効 シミュレーション開始時に、SCALEにCVTファイルを読み込みます。
読み込むCVTファイルは[SCALE CVTファイルディレクトリ]パラメーターで指定したファイルとなります。
無効(デフォルト) シミュレーション開始時に、SCALEはCVTファイルを読み込みません。

Note

このパラメーターは下記のいずれかの条件のときに有効となります。 * [SCALE 起動オプション]の項目が、[起動しない]に設定されている * SCALEが既に手動で起動済み [SCALE 起動オプション]の項目が、[自動起動]もしくは[自動起動&終了]でSCALEが自動的に起動された場合、
本パラメーターの設定に関わらずSCALEは自動的にCVTファイルを読み込みます。


④ SCALE内部にシミュレーション結果を保持

[SCALE内部にシミュレーション結果を保持]は、シミュレーション終了後もSCALE内部にその結果を保持させることを指定するパラメーターです。

Block_parameter5

シミュレーション結果をSCALEに保持させることで、SCALE側のUIでも結果を確認することができるようになりますが、SCALEのメモリリソース消費量も増加します。

オプションの内容は下記となっています。

内容 解説
有効 シミュレーション終了後もSCALE内部にその結果を保持させます。
無効(デフォルト) シミュレーション終了後、SCALEは内部の状態を破棄します。

Warning

このパラメーターを有効にした場合であっても、[SCALE 起動オプション]の項目が[自動起動&終了]に設定されていると、
SCALEのプロセスは終了され、シミュレーション結果も破棄されます。


⑤ シミュレーションモード

[シミュレーションモード]はSCALEの解析モードを指定するパラメーターです。

Block_parameter6

オプションの内容は下記となっています。

内容 解説
Transient(デフォルト) 高速にシミュレーションを行うことができるモードです。
Simulinkの[基本サンプル時間]に同期した解析結果を得ることが可能です。
Waveform [Transient]の解析に加えて、より詳細な解析結果を得ることができるモードです。
Simulinkのシミュレーションには「Transient」とスイッチングに依存した詳細な電流、電圧の解析結果を得ることが可能で、
この結果はSimulinkの[基本サンプル時間]ではなく、SCALE内部で動的に算出された刻み時間に依存します。
(通常スイッチング周期はサンプル周期よりも十分に高速であることが多いので、Waveformの解析結果は[基本サンプル時間]よりも高分解能なデータとなります。)
解析結果はワークスペースに自動的に保存されます。
FrequencyResponseAnalysis [Transient]の解析に加えて、周波数特性の解析を行います。
このモードで解析を行うことで、ボード線図を得ることが可能です。
解析された周波数特性は自動的にワークスペースに保存されます。

⑥ Waveform開始時間

[Waveform開始時間]は、SCALEのWaveform解析を開始するシミュレーション時間を指定するパラメーターです。

Block_parameter7

このパラメーターは[シミュレーションモード]で[Waveform]を選択した場合のみ有効になります。
シミュレーション実行中に指定された時間に到達すると、SCALEの解析モードが自動的にWaveform解析に切り替わり、詳細な電流・電圧の波形を出力開始します。

また下限値は0です。

Note

指定されたWaveform開始時間に到達するまでは[Transient]解析が実行されます。
Waveform開始時間がシミュレーション時間を超えて設定された場合、[Waveform]解析は実行されません。


⑦ 周波数特性解析 開始時間

周波数特性解析 開始時間は、周波数特性解析を開始するシミュレーション時間を指定するパラメーターです。

Block_parameter8

このパラメーターは[シミュレーションモード]で[FrequencyResponseAnalysis]を選択した場合のみ有効になります。
シミュレーション実行中に指定された時間に到達すると、SCALEの解析モードが自動的に周波数特性解析に切り替わり、各周波数に応じたゲインと位相それぞれの特性を出力します。

なお、下限値は0です。

周波数特性の解析にはSCALEの機能が利用されており、MATLAB / Simulinkとは独立した機能です。
周波数特性は定常状態で解析することを想定していますため、指令値に対して出力電流(もしくは電圧)が十分に定常状態に達するシミュレーション時間を事前に確認のうえ、本パラメーターを設定してください。
周波数特性を解析するためには、SCALEのモデル(回路)内にAC Sweep素子が含まれている必要があります。詳しくは、SCALE Helpを参照してください。

Note

周波数特性の解析完了の判断はSCALE側で行われ、MATLAB / Simulinkでは事前に検知することができません。
そのため、周波数特性解析を行う場合、シミュレーション時間は十分に長い時間を設定しておくか、infを設定しておいてください。


入力信号次元

[入力信号次元]はSCALE_CONNECTブロックの入力信号の次元を定義するパラメーターです。

Block_parameter9

このパラメーターはSCALEへ送信する信号の次元数でもあります。SCALEのSLCブロックのスクリプトで定義した入力信号の次元数(SLimport()関数で定義した信号の数)と一致していなければなりません。

オプションの内容は下記となっています。

内容 解説
デフォルト 1
下限 1
上限 127

Note

SCALE_CONNECTブロックは、シミュレーション開始時にこの項目がSCALEのSLCブロックで定義された値と一致しているか確認できません。
本パラメーターの妥当性についてはユーザー側で確認してください。


出力信号次元

[出力信号次元]はSCALE_CONNECTブロックの出力信号の次元を定義するパラメーターです。

Block_parameter10

このパラメーターはSCALEから受信する信号の次元数でもあります。
SCALEのSLCブロックのスクリプトで定義した出力信号の次元数(SLexport()関数で定義した信号の数)と一致していなければなりません。

オプションの内容は下記となっています。

内容 解説
デフォルト 1
下限 1
上限 127

Note

SCALE_CONNECTブロックは、シミュレーション開始時にこの項目がSCALEのSLCブロックで定義された値と一致しているか確認できません。
本パラメーターの妥当性についてはユーザー側で確認してください。

参考

SCALE Help