損失解析概要
目的
SCALEの損失解析機能は 、
回路全体の損失状況を短時間で把握し損失低減の最適化を図る
ことを目的とした機能です。
特徴
動作させながら回路全体の損失状況を確認
SCALEの損失解析では、個々の部品や回路要素の損失を別々に求めるのではなく、
動作しているそのままの状態で回路全体の損失状況を把握
することができます。
また回路に制御をかけている状態でも解析することができます。
解析結果は回路に使用されているすべての素子の動作時の損失が順位づけされてリストアップされます。
また、一部の内部構造を持つ素子については、内部要素損失を計算し、素子単位での損失内訳も確認することができます。
これらの機能により、どの素子が損失的にボトルネックになっているが一目で確認することができます
。
既存の解析機能を併用できるシームレスな解析
損失解析は既存の解析機能とシームレスに実行することができます。
損失解析を行うために、回路構成の変更や、特別な処理は必要ありません
。
例えば過渡応答解析(Transient
)などを行いながら、そのまま損失解析も実行することができます。
Note
スイッチング損失やコア損失を解析する場合には専用素子を使用する必要がありますが、
専用素子を使用した回路であっても、既存の解析機能は問題なく実行することができます。
高速解析
損失解析ではSCALEの持つ高速な波形解析をベースとした最適な計算アルゴリズムを使用しております。
そのため回路全体の損失を計算するにも関わらず、計算速度が非常に高速
となっています。
スイッチング損失の解析を含めても、解析時間は直流入力であれば数秒~数十秒程度で解析を完了させることができます。
交流入力では、交流周期全体での損失を求めるため解析時間が長くなりますが、それでも数分~数十分程度で解析を完了させることができます。
2つの解析方法について
理想損失解析
理想損失解析は、スイッチを理想スイッチとして、スイッチング損失を含まない損失解析です。
スイッチング損失を含まないため、非常に高速な解析が可能です。
理想損失解析ではオン領域とオフ領域の動作領域が存在する理想スイッチモードで解析されます。
理想スイッチモードではアクティブ領域は無視されます。
使用方法やパラメータ設定は以下を参照してください。
詳細損失解析
詳細損失解析は、スイッチのターンオン損失、ターンオフ損失、
すなわちスイッチング損失を含む全ての損失を解析する損失解析です。
詳細損失解析ではオン領域、オフ領域、アクティブ領域すべての動作領域が存在する詳細スイッチモードで計算されます。
通常の過渡解析や波形解析などでは、理想スイッチモードで解析され、
詳細損失解析および詳細波形解析の場合にのみ詳細スイッチモードで解析されます。
使用方法やパラメータ設定は以下を参照してください。