インダクタ[Inductor]
Location : RLC/Inductor
Shortcut : Shift+L
外形

説明
理想インダクタです。
パラメーターの電流初期値とは、解析開始時におけるインダクタ電流の値です。
灰色で表示されている場合は設定は不要です。
特別な値がない場合は0を設定します
Note
SCALE ver1.5以前のバージョンではESRのないInductorとESRのあるInductorRが存在しておりました。
SCALE ver1.5以降ではこれらはInductorに統一されました。
Warning
等価直列抵抗のないInductorは理想的なインダクタなので、接続方法によっては回路設計時にエラーとなることがあります。
原因となるのは主に従属関係になっているLが存在する場合となります。
後述する従属LCについてを確認して、従属関係の解消をお試しください。
従属LCについて
あるInductorの電流またはCapacitorの電圧が、ほかのInductorの電流またはCapacitorの電圧で表現できる場合、このLCは従属LCとなります。
SCALEでは、従属LCに対しては、パラメータダイアログで初期値項目がグレー表示になるので区別がつきます。

例えば二つのInductorが直列接続されている場合、これらのInductorには同じ電流が流れるので、電流は一つとみなすことができます。
回路方程式では、Inductorの電流を状態変数として表現するので、二つのInductorの電流のうち一つを状態変数として、もう一つのInductorの電流は従属変数として扱います。
この従属変数に対応するInductorを従属Lと呼んでいます。
従属LCが存在すると計算精度が悪くなり、これが様々なエラーの原因となります。
これを改善するには、以下の方法を実行し、従属しない状態としてください。
* Lの場合は並列に大きな抵抗を挿入してください。
* Cの場合は小さなESRを設定する、もしくは直列に小さな抵抗を接続してください。
Note
Inductorでは並列の抵抗値を入れるパラメータが存在しておりません。
そのためESRを設定することで自然と解消できるCapacitorよりも、従属関係となる可能性高いため、回路設計時には十分注意してください。
また、従属LCはAnalysisモードでメニューバーのView > DependentLCををクリックすることで、ハイライト表示されます。

等価回路について
等価直列抵抗を0にせず、数値を入力した際のInductorの等価回路は下記の図となります。
また下図のVは出力設定にて電圧を設定したい時に使用できます。

コア損失解析用パラメータについて
Inductorはコア損失解析の対象となる素子です。
Coreボタンではコア損失解析用のパラメータを設定することができます。
詳しくはコア損失対象素子を参照してください。
Note
損失解析を行うにはオプション製品PowerOptionが必要です。
パラメーター
| パラメーター | 内容 | 単位 | 入力範囲 |
|---|---|---|---|
| Symbol | シンボル名 | - | - |
| Value | インダクタンス | H | Value > 0 |
| Iini | 電流初期値 | A | - |
| ESR | 等価直列抵抗 | Ω | ESR ≧ 0 |
| Core | コア損失パラメータ設定ボタン | - | - |
Note
ESRを0`に設定すると短絡とみなされます。