1. 互換性・ファイル形式の変更について
1.1. 互換性について
SCALEはSCATに対して限定的な後方互換性を有します。
SCATで保存したファイルは、SCALEで削除された素子を除きそのまま読み込むことが可能です。
SCALEで保存したファイルを、特定の手順でSCATに読み込ませることも可能ですが、
この場合もSCATに存在しない素子と機能がファイルに含まれていた場合、正常に読み込むことができませんのでご注意ください。
詳細はファイル形式・拡張子の変更についてを参照してください。
また、SCAT/SCALE両ソフトで提供している素子であっても、仕様が変更されている場合があります。 SCATからSCALEに移行する際には、期待したとおりの結果が得られるているか、評価版を利用して事前に検証することを推奨いたします。
1.2. ファイル形式・拡張子の変更について
SCALE ver.1.2.0以降では、Analysisモードにおけるファイル保存形式が変更されています(拡張子も .cvt2
/ .shp2
に変更されています)。
モード | 旧 | 新 |
---|---|---|
Analysis |
.cvt / .shp |
.cvt2 / .shp2 |
Topology |
.prt / .tpl |
.prt / .tpl |
そのため、SCALE ver.1.1.0およびSCAT(K.466、K.488、K.492)で作成したファイルは、SCALE ver.1.2.0で読み込み可能ですが、
SCALE ver.1.2.0がAnalysisモードで保存したファイルは、旧バージョンの製品で読み込むことができません。
SCALEから旧バージョンの製品にファイルを受け渡ししたい場合は、以下の手順で可能です。
ただし、旧バージョンの製品に存在しない素子と機能が含まれていた場合、正常に読み込むことはできません。
-
SCALE ver.1.2.6以降で
Topologyモード
にて、.prt
,.tpl
ファイルとして保存する。 -
旧バージョンの製品で
Topologyモード
で読み込む。 -
旧バージョンの製品で
Analysisモード
に変更しシミュレーションを行う。
互換性についてのイメージは以下の通りです。
2. 廃止された素子
2.1. Trigger素子
Trigger素子は、SCALEでは廃止されました。 本素子を含むSCATファイルはSCALEで開くとエラーになってしまいます。一度、SCATでトリガー素子を削除し、再度SCALEで開いていただきますと、正常に開くことが可能です。
3. 仕様変更された機能
3.1. PWM素子、SFM素子の取り扱い
PWM素子、SFM素子はどちらも演算周期毎に結果を反映するため、デジタル制御の様に一周期遅れを含む素子となっております。 SCATではPWM素子、SFM素子を用いた制御回路の波形特性および周波数特性をアナログ制御のように近似する機能がついており、有効/無効を操作できるようになっておりました。SCALEでは、この近似は廃止させていただいております。
近似の有効/無効は、通常の波形解析ではParameter→Condition→Compensation のチェックボックス、周波数特性ではPWM/SFMのチェックボックスで切り替えが可能でしたが、この機能が廃止されております。 |
代替方法について
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PWM素子をアナログで構築したい場合は、Saw Tooth素子とComparetor素子を利用することで実現することが可能です。
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SFM素子の場合は、現状のところ恐れ入りますが代替案はございません。仕様上デジタルの一周期遅れを含む素子としてご利用ください。
3.2. Vibrator素子
SCATではメイン周波数をまたいでTonを設定することが可能でしたが、SCALEでは メイン周波数をまたいでTonの設定をすることができません。
Tonがメイン周波数をまたいでしまうと、意図しない動作となる場合があります。
SCATと同様の挙動をさせたい場合は、FRD素子を用いて明示的に周波数を設定することで、メイン周波数とは独立させることができ、メイン周波数をまたいでの設定が可能です。
4. 64bit化に伴う変更
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計算速度の向上、使用可能メモリ空間の拡大など、以前と比較してシミュレーション性能が大幅にアップしています。
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小数点の内部表現を国際標準規格に適合させる変更を行いました。シミュレーション結果が実行環境の影響を受けなくなりました。
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SCATで行ったシミュレーションと結果が異なる場合があります。シミュレーション結果には十分ご注意ください。